阿部の約束-。巨人阿部慎之助監督(44)が19日、都内ホテルで行われたスタッフミーティングに出席し、山口オーナー、首脳陣、スタッフを前にチームの指針を明確に伝えた。献身性、数字だけを見ない、全員同行、1軍昇格即先発NG…などの共通理解を記した冊子を作成し、配布する。90年の球団史で辰(たつ)年は5度のリーグ優勝、2度の日本一と吉兆のデータがそろう。新監督が「強いチーム、愛されるチームをつくりたい」の約束を果たす。

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頼もしい援軍に阿部監督が囲まれた。肩書、立場、年齢に分別されない。信頼し合える顔ぶれがそろった。「僕の考えをしっかり理解してくれてる人たちの集団だなと改めて感じさせていただいた」と勇気が湧いてきた。正装に包み“年頭の儀式”にやや緊張の面持ちだった。「物々しい雰囲気の中で行われるミーティングですので、みんなカミカミで、僕もかんじゃった。すごく実りのあったミーティングだった。僕もワクワクしてきました」と高揚感も湧いてきた。

監督就任後から用意してきた指針を文字で明確に伝える。「僕の監督方針だったりの冊子をつくった。献身的な選手を起用していく。数字だけを見て1軍、2軍の昇降格を決めない。投手は全員帯同。2軍からいきなり1軍で先発させないとかね。そういうのをいくつか話させていただきました」と明かした。3つに折りたためる冊子はポストカードサイズで常に携帯できる。

2年連続Bクラスの自覚が反撃への初歩となる。2月1日のキャンプインから開幕までの限られた時間の中で「選手たちに、なぜ負けたのか、どうしたら勝てるのかというのも聞く必要がある。いろんなことを聞き取り調査したい」。投手陣の四球減も改善点の1つに挙げた。昨季は401四球でリーグワースト2位だった。「(四球数を)1割減すれば失点7%ぐらい減るというデータを出してもらった」と全507失点のうち35失点を防げる。

球団創設90周年のメモリアルイヤーの指揮を託された。「オーナーから90周年の歴史で辰年が7回あって、5回優勝して、3回日本一になってるという素晴らしいデータをいただいた。また、辰年が来た時に『前回は阿部が優勝した』と言われるようにしたいと思います」と宣言。阿部監督がチームを約束の場所まで連れて行く。【為田聡史】

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