「どたんば郡司」が決めた。日本ハム郡司裕也捕手(26)が、0-0の8回2死二塁で左前に先制適時打を放ち、この1点を守り切った。

打順は3試合ぶりに1番に戻り、3打席目まで無安打だったが、終盤のワンチャンスでしっかり役目を果たした。今季5度目の0封勝ちで、エスコンフィールドでの1-0勝利は初めて。3度目のカード勝ち越しを決め、貯金を再び4に増やした。

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ぎりぎりの場面で輝きを放った。8回2死二塁、郡司はオリックス宇田川の低めフォークに手を出した。「ミスったと思った。ああいうのが抜けて行くっていう。ずっと捉えた打球が外野の正面行っていたんで。これから芯を外した方がいいかもしれないですね」。当たりは決して良くなかったが、空いていた三遊間を抜け、打球の勢いを抑えるエスコンフィールド独特の外野芝で、さらに減速。二塁から水野が一気に本塁へ生還した。

オリックスの左翼西川が浅く守っていた中でも二塁走者を返せた強運“ボテボテ決勝打”。新庄監督は「三遊間を広くしてレフトを前にしてての、あの1点。エスコンならではですね。エスコンじゃなかったら、あんだけ(左翼が)前に来てて、帰れないんで」と“ホームの利”を強調した。

9日ソフトバンク戦で今季初の1番に入り「いきなり郡司」として初回初球を二塁打にし4点奪取の口火に。6番に打順を下げた27日オリックス戦では2点先制した直後の1回1死二、三塁から中前2点適時打を放ち「あとから郡司」で貢献。3戦ぶりにリードオフマンに戻り「チャンスで僕は打つ係。ここで打たないとちょっと自分が出てる意味がないので」と、今度は勝負どころの「どたんば郡司」で白星を呼び込んだ。

験担ぎの塩が運を招いた。今季は試合前に必ず、お清めの塩スプレーを自身の胸元にシュッと、ワンプッシュして試合に臨む。「ネットに載っていたんで、いいなと思って」と、調子が悪くても毎日ルーティンとして続けてきた。「いい方向に傾くと信じて」使い続けた結果、鋭さを抑えた、絶妙な一打が生まれた。

お立ち台では小5のキッズインタビュアー名主川(なぬしがわ)実歩さんから「郡司選手のバッティングがうれしすぎました。私が彼氏にするなら郡司選手です」と“告白”され「ありがとうございます」と照れ笑い。勝利の女神をほほ笑ませた不思議な塩で、郡司が“モテ期”に入った。【永野高輔】

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