ソフトバンク前田純投手(24)が節目のプロ初勝利をマークした。敵地日本ハム戦で6回3安打無失点、5奪三振の快投。140キロ台の直球にチェンジアップ、カーブとの緩急がさえた。オフは大先輩、和田の自主トレに志願参加。レジェンドの教えを生かし、シーズン最終盤に訪れた1軍初登板で堂々のデビューを飾った。今年7月に支配下昇格した新星が、対日本ハムの連敗を7で止めた。

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北の大地で主役となった。プロ1勝を手にした前田純は、敵地のヒーローインタビューで思わず絶叫した。

「最高で~~っす! 観客がいっぱいいる中、初めて投げたんですけど『気持ちいいな』と思いながら…。『自分が主役』と思って投げました」

1軍初登板とは思えない貫禄だった。「緊張はあまりなかった」。初回を無失点で切り抜け、2回以降もテンポ良く投げ込んだ。4回無死一塁では相手の4番マルティネスを注文通りの三ゴロ併殺打に仕留めた。1ストライクからチェンジアップを内角低めへ投じ、引っかけさせた。二塁すら踏ませず、6回81球で被安打3。さらに無四死球と言うことなしだ。ポストシーズン登板にも名乗りを上げる内容だった。

転機はオフだった。同じ左腕の大先輩、和田の自主トレに志願参加。練習量で有名な“和田塾”の門をたたき、「投球フォームの考えがガラッと変わった」。経験豊富なレジェンドに下半身の使い方を伝授してもらった。理想としていたフォームを身につけ、打者に球速以上の速球を見せられるようになった。「腕が遅れてついてくる、みたいな。打者からしたら自分の速球は早く感じると思います」と胸を張る。

最速は144キロ。プロの世界では決して速くない。だからこそ「自分はキレで。球速以上の速球を目指したい」と真っすぐには強くこだわった。和田の教えで投手の生命線でもある直球にキレが増し、緩いカーブ、チェンジアップとの緩急に磨きがかかった。

「すごく順調に来られすぎて、怖いなとも思います」。7月に支配下昇格したプロ2年目の24歳。成長曲線は計り知れない。「ホークスのエースと呼ばれるようなピッチャーになれるように」。期待の新星。プロ初勝利に満足せず、さらなる高みを見据える。【佐藤究】

▽ソフトバンク小久保監督(プロ初勝利の前田純を)「初登板で立派なもんやろ。十分なピッチングだったと思いますよ」

▼22年育成ドラフト10位で入団した2年目の前田純がプロ初登板初勝利。ソフトバンクの初登板勝利は19年甲斐野以来で、2年目以降では84年藤本、95年吉武に次ぎ29年ぶり3人目。育成ドラフトで入団した投手の初登板勝利は、今年の佐藤(オリックス)に次いで6人目で、球団では18年大竹以来2人目。また、育成ドラフト10位以下での白星は、初登板に限らず前田純が初めて。過去は20年育成7位の戸田(巨人)が最も低い順位だった。

◆前田純(まえだ・じゅん)2000年(平12)6月4日生まれ、沖縄市出身。中部商-日本文理大を経て、22年育成ドラフト10位でソフトバンク入団。23年にウエスタン・リーグで初登板。今季は同リーグで10勝を挙げて防御率1・95。今年7月に支配下選手登録を果たした。189センチ、85キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸は400万円。

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