JFE東日本(千葉市)がホンダ(東京都)に競り勝ち、4年ぶりの初戦突破を決めた。代打で登場した平山快内野手(29=東海大)が右越えの勝ち越し2ラン。19年都市対抗優勝時に4番に座った男の値千金の1発が飛び出した。これで波に乗り、7回にもさらに2点を追加。9回にホンダに1点差まで詰められたが、林桂大投手(29=国際武道大)が一打同点の2死一、二塁のピンチを見逃し三振に仕留めしのぎ切った。

指揮官の起用に見事応えた。1点ビハインドの6回2死一塁。落合成紀監督かあ「あのタイミングはどうしても1点が欲しかった」と迷いなく送り出され、打席に立った平山は「真っすぐはラインにきていて難しいという話を聞いていたので、高めにきた変化球を狙って」と初球を捉えた。

ベンチに戻ると仲間と一緒に分かち合い、いつも以上に喜んだ。「あんなに喜びたくなかったんですけど」と自分でも驚くほど。我を忘れたかのように気持ちを高ぶらせ「今年に関してはかなり悔しいシーズンというか。クビも覚悟してやってました」。ここまでの過程が感情を爆発させた。

打撃がなかなか上向かない。持ち味の強いスイングが影を潜め「打っても当たらないし、当てにいってもいい打球がいかないし」と苦しんだ。ベンチ入りを逃すことすらあったが「あれこれ悩んでいてもしょうがない」と開き直り、都市対抗に近づき徐々にコンディションを上げた。迎えた今大会初の打席で100点満点の結果だ。「ライト方向に打席がいっているときに僕のいいとき」と振り返り、「会社の人とかにも『ホームラン1回くらい見せてくれよ』といわれてて、何とか見せられてよかった」と安堵(あんど)した。

今川優馬(現・日本ハム)らと共に19年Vに貢献した。当時は不動の4番だったが、6年の月日が流れて立場は変わった。それでも、任された仕事を懸命に全うする姿は今も変わらない。磨いた打棒を発揮する機会は、またすぐに訪れるに違いない。