慶大が早大を下して勝ち点5とし、23年秋以来となる5季ぶり41度目のVを完全優勝で決めた。

エース渡辺和大投手(4年=高松商)の涙が、苦しかった優勝を象徴していた。8回5安打無失点でマウンドを降りると、疲れから重い足を引きずりながら、頬を涙が伝った。1勝1敗で迎えた第3戦。剣が峰の試合に「マウンドを降りて点差を見て…。安心したわけじゃないんですが、とりあえず自分の仕事がなんとかできた、という気持ちで、涙が止まらなかった」。チームの勝利を一身に背負った重圧から解放され、涙があふれだした。

32年ぶりの「天覧試合」となった前日の2回戦は苦しかった。1点リードの9回にマウンドに上がると、まさかの2点を与えサヨナラ負けを許した。

前夜は悔しさから眠れない夜を過ごし、早朝には「泣いちゃおうと思って…」と1人になれるトイレに駆け込み涙を流した。優勝がかかった大一番へ気持ちをリセットし、リーグ戦初の3連投でも力強いまっすぐに得意のツーシームにスライダーで早大打線を手玉にとった。124球の熱投で今季7勝目を手にし、前日のうっぷんを晴らした。

総勢219人の大所帯を束ねる首脳陣・チームスタッフの充実化が、成果に結びついた。サッカー日本代表の森保ジャパンでも取り入れられている「分業制」を積極的に採用。今年から新たに四国IL香川で球団社長を務めていた上田誠氏を投手コーチに据え、巨人ОBの上田和明氏を守備専門コーチに迎えた。「W上田」とも称される2人の存在は大きく、チーム防御率はリーグトップの2・28と向上。エース渡辺和も上田誠コーチとの二人三脚でツーシームを習得し、投球フォームに2段モーションを組み込む進化を遂げ最優秀防御率(1・28)に輝いた。

丸田湊斗外野手や八木陽内野手(3年)ら23年夏の塾高優勝メンバーに加え、林純司内野手(3年=報徳学園)や中塚遙翔外野手(3年=智弁和歌山)ら外部の力も融合。3季連続の最下位から、陸の王者が復活を印象付けた。【保坂淑子、平山連】

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