西武ベンチが皆、輪っかを描くように人さし指をクルクルさせる。合計何周させたことだろう。初回に1点先制後、林安可外野手(29)の2ランが右翼ポール際に突き刺さった。しかしファウル判定。一様に「えぇ?」。西口監督も「ほんと焦ったよ」とリクエスト。無事に本塁打に正され、台湾からの助っ人は優雅にダイヤモンドを一周した。
打球速度は177・5キロ、最高到達点13メートル。驚異の低空弾丸ライナーゆえ、プロの審判の目でも正確に追い切れないほどだったか。西口監督も「いい弾道でいい打球を飛ばす打者なので。2本目も良かった」。4回、今度は時速176・6キロが、右翼席へ吸い込まれた。「シーズン前半、ちょっとタイミングが遅れていたので」。2軍再調整を経てしっかり修正した。
林安可の2発で打線に火が付いた。大事な2位攻防戦は14安打12得点で6カードぶりに勝ち越し。8回にも打者一巡6得点で、久々にビッグチェーン打線が炸裂(さくれつ)した。12泊13日、総移動距離6500キロ超の“獅のロード”は3勝6敗1分けと負け越したが、2位は死守した。「帰ってゆっくり、自分の布団で寝たいと思います」と西口監督。シーズン残り4割、暑くとも熱く戦う。【金子真仁】



