西武栗山巧外野手(42)の引退会見が30日、都内のホテルで行われた。引退試合は午後5時から、本拠地ベルーナドームでの楽天戦で行われる。

右、左、右、左と壇上への階段を進んだ。ネイビーのスーツにシャツ、ブラックのネクタイ。壇上に立った栗山と目が合った(気がした)。ファン630人が集まった広い会場の前後左右10カ所ほどに視線を少しずつ移し、おそらく“打席”の状況を確認していたのだろう。私以外にも目が合った(気がした)人は大勢いたはずだ。

報道陣からの質問で「いつも相手の目を見ている。アイコンタクトを大事にしたきっかけは?」と問われ「覚えてないですよ」と笑いつつ「でも、できるだけその人が何を言いたいのか、どういう気持ちなのかを自分の中でくみ取るために、できるだけ目を見てやっています」と話した。

打席での真剣勝負と同じように、こういった取材の場では真剣勝負だ。裏の裏のそのまた裏までありそうな18・44メートルの駆け引きで、2151本もの安打を重ねてきた人だ。対人スキルは並大抵ではない。

質疑応答になって何人もの記者、レポーターが質問する。質問者が「○○社の○○です。よろしくお願いします」とあいさつすると、栗山も「よろしくお願いします」と返す。そんなテンプレが放送局からの質問7~8度で形成された。ペン記者の順番になり、栗山に質問した。

「日刊スポーツの金子です。おはようございます」

栗山の返答は「おはようございます」だった。あいさつしながらずっと栗山の目を見た。突然の変化球にも全く動揺せず、平然と「おはようございます」と笑顔で返してきた。

強い-。おかげでこっちが少々動揺してしまい、質問のしゃべり出しが変な声になった。【金子真仁】