侍ジャパン佐々木朗希投手(21=ロッテ)が「人生初めてホームランを打たれた男」、岩手・陸前高田市出身の佐々木莉己さん(22=東北学院大野球部4年)が、佐々木朗への熱投をねぎらい、さらなる飛躍も願った。
佐々木朗は小学校から野球を始め、大船渡高2年夏まで1本も本塁打を打たれたことがなかった。18年7月10日、夏の岩手県大会2回戦。盛岡三の主軸の佐々木さんは、2回裏に左打席に立ち、初対戦した。「すごいピッチャーがいるという話は聞いていたんですけれど、生で見たのは初めてだったんです」。陸前高田市では隣の小学校に通い、東日本大震災では佐々木朗と同じように海岸近くの自宅が津波で全壊被害にあった。中学では硬式でプレーしていたため、大船渡市に移住して大船渡一中の軟式野球部に所属した佐々木朗との接点はなかった。
150キロ超を連発する「怪物」の甘く入ったスライダーを、岩手県野球場の左翼席にソロ本塁打を放った感触は今でも鮮明に覚えている。だが、9回表に一挙8失点して2-11と敗れ、高校生活最後の試合となった。「勝つつもりでやっていたので悔しい気持ちが大きい試合だったんですけれど、あのホームランがあったから大学でも野球を続けようと思えたし、高校の時にホームランを打ったことを周りから言われたりするので、それに恥ずかしくない人間にならなければいけないと思えています」と1学年後輩の存在に感謝している。
準決勝メキシコ戦は高校時代に新築した陸前高田市内の自宅でテレビ観戦した。「地元のどこにいってもポスターだったり、横断幕だったりが掲げられている。素直にすごいと思います。WBCの活躍も刺激になりました」。4月からは岩手県内で就職することが決定している。「就職先でグラブチームがあるので、硬式野球は続けようと思います」と自身も白球を追い続けることも決めた。佐々木朗の今後にも「まだまだ伸びしろがあると思うので、あと何年かは日本で投げて、早くメジャーにいって活躍してほしいです」と期待を寄せた。【鎌田直秀】




