リオデジャネイロ五輪が終わり、8日にはパラリンピックが開幕した。相撲は夏巡業を終えて、いよいよ秋場所(11日初日、東京・両国国技館)を迎える。過酷なスケジュールの夏巡業では、五輪で寝不足、という話が多かった一方で、刺激を受けた力士も多くいた。その一部を紹介したい。
日本は今大会で五輪史上最多41個のメダルを獲得した。スポーツ好きの大関稀勢の里(30=田子ノ浦)は、毎朝4時に起きてテレビ観戦するなど五輪を堪能した様子で、特に注目したのは「テニスの錦織選手ですかね」。日本テニス界96年ぶりのメダルとなる銅メダル獲得の瞬間に心酔したという。
五輪前、ドーピング問題に揺れたのはロシア。出場できた選手たちは活躍して56個のメダルを獲得した。ロシア出身の十両阿夢露(32=阿武松)は「出場できて良かったですね。日本の放送ではロシアの選手はあまり映らないので、ネットで見てました。レスリングはほとんど見ましたよ」と言う。自身の活躍も、地元紙などで紹介されるそうだが「新聞でも小さいスペースだけ。衛星放送は幕内だけなので、自分も頑張って早く戻らないと」と、発奮材料になったようだ。
最後に話題をかっさらった国といえば、モンゴルだろう。レスリングや柔道などで好成績が期待されたが、メダルは2個。横綱鶴竜(31=井筒)も「残念でしたね」と話したが、問題となったのは五輪最終日のレスリング男子フリースタイル65キロ級だ。3位決定戦の残り6秒。優勢でガッツポーズしながら逃げ回るモンゴルの選手に警告が与えられ、まさかの逆転負け。激怒したコーチが服を脱ぎ捨て、パンツ一丁で抗議した光景は衝撃的だった。
日本の価値観で見れば、面白おかしくも映った。でも、もしかしたら、あの場面で服を脱ぐのは何か文化的な意味などがあるのかもしれない。鶴竜は言う。「何の意味もないです。残り6秒だし、あんなことするほうがダメでしょう。最後まで戦わないと」。紺色の締め込み姿が、いつもより輝いて見えた。【桑原亮】


