大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付が発表され、注目の宇良(24=木瀬)が史上7位の所要12場所でスピード新入幕を果たした。関学大から初の角界入りを決めた2年前の会見では「2年で関取になりたい」と語っていたが、その目標は1年で成し遂げ、2年で幕内まで駆け上がった。
入門前の会見を振り返り、宇良は言った。
「とにかく高い目標をと思って、2年と言ったんです。最初は3年で、と思ってたんですけど、関学大の相撲部OBの方にそういう話をしたら『それじゃあ遅いんじゃないか』ということで、2年と大きく言ってしまいました」。
謙虚に打ち明けたが、実は史上7位どころか、史上最速入幕をひそかに狙っていた時期があった。それは、十両2場所目の昨年名古屋場所だった。宇良は西十両8枚目で11勝を挙げ、番付上の幸運があれば一気に新入幕を果たせたのだが、残念ながら1枚足りず翌場所は東十両筆頭止まり。史上1位の所要9場所での最速出世を逃し「1位というのは違いますから…」と、悔しがっていた。
その後もすぐに入幕するかと思いきやその名古屋場所では右足首の腱(けん)を痛め、続く秋場所でも左手首を骨折とけがに悩まされ、番付は足踏み状態に。「3年で上がれればいいですよ」と慎重になっていた時もあったが、待ちわびる地元大阪のファンに合わせるように、春場所での昇進となった。
師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)は「稽古は真面目に取り組んでくれてますので、その結果ですよね。どういう稽古すればいいのか分かってますから。その結果、こういう早い出世になったと思いますよ」と目を細める。そして「三賞も何も取ったことない親方だから。取ってほしいですよ」と、自身が53場所務めた幕内で1度もつかめなかった“夢”を弟子に託した。宇良の夢の1つが、技能賞だ。気持ちで負けず、諦めない心で繰り出す技で勝利をつかみ、夢をかなえる瞬間を楽しみにしたい。【木村有三】

