プロボクシングのWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者内山高志(36=ワタナベ)が今日27日、同級暫定王者コラレスとの12度目の防衛戦に臨む。26日には都内で前日計量が行われた。1回目で400グラム超過して約1時間40分後の再計量でクリアしたコラレスに対し、内山は1回目でパス。陣営は減量で弱った挑戦者のボディーが弱点になると指摘した。

 内山はドタバタ劇に苦笑いを浮かべるしかなかった。計量前の調印式で「勝ってリング上でサルサを踊ってやる」と豪語したコラレスが、まさかの400グラムオーバー。21日の来日時に7キロ以上オーバーしていたとの情報もあり、「ひょっとしたらというのはあった」。“インビジブル(見えない)”の異名を取る挑戦者が、あわてて会場近くのサウナ店に向かうのを複雑な表情で見送った。

 リミットを100グラム下回る58・8キロだった内山が会場を後にしたころ、コラレスは苦闘していた。関係者によると、分厚い減量着のままサウナに入り、縄跳びを始めようとして、利用者に「何をしてるんだ! 出て行け」と叱られたという。関係者が事情を説明してとりなし、浴室の隅に移動して約40分間跳び続けるなどして汗を絞り出した。

 約1時間40分後、再び計量会場に現れたコラレスはマスクで顔を隠して登場。計量器に乗り「超過」を告げられると、マスクとパンツを脱ぎ捨て、ようやくリミットちょうどでクリアした。派手なガッツポーズで喜ぶと「内山、俺は完璧に仕上がっている。しっかり戦える準備をしておけ」とまくし立てた。

 渡辺会長から電話で報告を受けた内山は「試合が成立して安心した。自分は万全」とサラリ。土居フィジカルトレーナーは「コラレスは減量で筋肉が落ちている。内臓疲労もあるし、腹は効くと思う」と指摘した。コンビを組む佐々木トレーナーも「練習を見た時にガードが高く、腹が空いているなと思った」と、当初からボディー狙いを想定しており、挑戦者の急な減量は追い風となりそうだ。

 勝てば80年代に活躍したブライアン・ミッチェル(南アフリカ)の持つスーパーフェザー級の世界記録に並び、具志堅用高の国内連続防衛記録に王手となる。内山は「隙のない試合をしたい」と冷静に勝利を誓った。【奥山将志】