元日本と東洋太平洋ライト級王者加藤善孝(30=角海老宝石)が再び世界ランク入りを逃した。WBA世界同級10位ブランドン・オルギビエ(22=オーストラリア)に挑んだが判定に持ち込まれ、ジャッジ1人は加藤も2人はイーブンの1-0で引き分け。王座返上後2連敗中から脱出する白星を挙げられなかった。

 序盤は力強く、大振りの相手に、ジャブをついていった。「まともに食ったら危ない。距離をとって、前に出るのを抑えた」。左のカウンターをクリーンヒットさせたが、中盤からは接近戦での戦いになった。「相手は離れるか、くっつくかで、ジャブが届かず、出なくなった」。クリンチ、バッティングも多くなり、ともに決め手を欠く。一進一退の展開のまま、試合終了のゴングが鳴った。

 加藤は過去3度世界ランカーを撃破していた。4度目を逃して控室に戻ると何度も「うーん」とうなった。「少し勝ったと思ったが…。せっかくのチャンスを生かせず申し訳ない」と肩を落とした。