大仁田厚(60)が、10月31日の「大仁田厚ファイナル後楽園ホール大会」から一夜明けた1日、都内の闘道館で会見を開き、満身創痍(そうい)の体を治すために、近日中に手術に踏み切る可能性を明らかにした。特に状態が悪い両ひざは近年、日常生活にも支障を来しており「具合が悪い。階段を下りるのも大変なので、もしかしたら手術になる可能性がある」と強調し、人工関節になる可能性まで示唆した。

 大仁田は、1983年(昭58)4月のヘクター・ゲレロ戦で左膝蓋(しつがい)骨粉砕骨折の重傷を負い、付け人も務めたジャイアント馬場さん(享年61)に引退勧告され、85年1月3日に後楽園ホールで引退式を行い、全7回の中で最初の引退に踏み切った。その要因となった左ひざに加え、右ひざも故障し、14年5月には両変形性膝関節症(軟骨損傷)と診断され、緊急手術を受けた。

 そのことを踏まえ「医学的なことなので、どういう手術になるか分からない。(関節を)カパッと取って、人口を入れるかも知れない。(ひざには)20何年間、コイルを入れてクギ入ってるわけですから、それを耐えているから、左も右も悪いし、片方をやるのか、両方やるのか…明日、カムバックできるわけないじゃん」とまで言った。

 ここ2年の間に、16年8月に右尺骨、11月に左かかと、12月に腰椎、今年2月には右尺骨骨幹部と7カ月で4カ所も骨折し、体はボロボロだ。大仁田は「リハビリの期間も必要。腰を骨折したと言っても、誰も信用しなかったけれど、俺、休まないで試合しているから…いまだにしびれているんだもん。折られてチタンを入れて、試合でその(患部の)下を、また折られた。いくらなんでも、俺はサイボーグじゃない」と言い、苦笑した。

 また引退試合の6人タッグマッチで対戦した藤田和之(46)に、序盤の攻防の中でエルボーを顔面にたたき込まれたことで、上下合わせて12本の歯が折れたことも明かした。「藤田のエルボーを食らって折れた。場外に行った時ですね。下も入れたら歯は12本くらいダメ…まだ歯医者には行けていない。涙が出てくる…痛いよ。正直、本音を言えば、また藤田を殴ってやりたい」と本音を漏らした。

 その上で「プロレスラーとしてリングに上がることは、絶対にありません」と、完全引退を念を押すように明言した。【村上幸将】