IBF世界スーパーフェザー級王者の尾川堅一(29)が米ラスベガスで王座を獲得した昨年12月9日の試合4日前に受けたドーピング検査で陽性反応を示したと19日、所属先の帝拳ジムが発表した。試合後の検査では陽性反応を示しておらず、試合を管理する米ネバダ州アスレチックコミッション(NSAC)は1カ月以内に会議を開き、原因を究明する。

 調査の結果次第では、王座剥奪などの厳罰が科される可能性がある。尾川は帝拳ジムを通じ「陽性反応が出た事実は認めないといけないが、禁止薬物を意図的に摂取したことは絶対にない。原因究明に全面的に協力していく」とコメントした。

 米メディアは筋肉増強効果があるテストステロンの一種に陽性反応を示したと報じた。関係者によると、アトピー性皮膚炎の治療薬が反応した可能性があり、摂取してきた薬品は試合開催地の米ネバダ州コミッションに提出済み。治療目的と認められれば処分されないこともあり得るという。昨年7月に受けたWBCの検査では問題がなかった。