ボクシングの元2階級制覇王者サウル“カネロ”アルバレス(27=メキシコ)が、ドーピングで陽性反応を示した。カネロと契約する米ゴールデンボーイプロモーションが5日に明らかにした。5月5日に米ラスベガスでWBAスーパー&WBC&IBF統一世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(35カザフスタン)と再戦を予定している。

 カネロはグアダラハラでのキャンプ中で、2月に2回にわたって自主的に検査を受け、筋肉増強作用で禁止薬物のクレンブテロールが少量検出された。カネロは「驚いている。必要な検査をすべて受ける。最終的に真実が明らかになるものと思っている」との声明で潔白を主張。米国に練習拠点を移し、必要な検査を受けるという。ゴロフキン戦は昨年9月に行われ、三者三様の採点で引き分け。採点で物議を醸し、直接再戦することになっていた。

 最近になって、クレンブテロールは多くのメキシコ人選手から検出されている。16年には三浦隆司を下したWBC世界スーパーフェザー級王者フランシスコ・バルガスが初防衛戦前に陽性反応を示した。また、WBC世界バンタム級王者山中慎介のV13を阻んで王者となったルイス・ネリも、同様の禁止薬物ジルパテロールで陽性反応を示した。いずれも牛肉に違反薬物が混入しており、原因は汚染食品にあるというものだった。