ボクシングの日本ライトフライ級王者久田哲也(33=ハラダ)が9日、同級1位板垣幸司(34=広島三栄)との3度目の防衛戦(14日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)を前に大阪市内のハラダジムで会見を行った。

 プロ41戦30勝(19KO)9敗2分けの大ベテランは「コンディションはいい。後はいつも通りに体重を落とすだけ。KOを意識して、最後に“キレ”を磨いていきたい」と話した。

 昨年4月にプロ39戦目の初挑戦で日本タイトルを奪った“超遅咲き王者”だ。30歳になり「この1年を思い切りやって、ダメなら辞めよう」と腹をくくった15年から覚醒、現在は8KOを含む9連勝中だ。世界ランクもWBA1位、IBF4位、WBO5位、WBC7位と、主要全4団体で世界挑戦圏内につける。

 「今回の防衛戦にいい内容で勝って…。いつでも(世界戦を)やっていいように準備していきたい」

 アマチュアで実績を積んだエリートが、デビュー10戦前後で世界挑戦-。それが主流となりつつあるボクシング界だけに、キャリア40戦以上の三十路(みそじ)ボクサーの世界初挑戦となれば、逆の意味で注目が集まることは間違いない。

 大阪・浅香山中で同級生だった妻淳子さん(33)と24歳で結婚した。淳子さんは大型スーパーの子供服売り場でパート仕事をし、自分はたこ焼き、お好み焼きの有名チェーン「くれおーる道頓堀店」で働く。小学校2年になった長女一歌(いちか)ちゃんも応援してくれる。

 「夢をあきらめたパパには、絶対になりたくありませんから」

 KO防衛で、今年中の世界初挑戦につなげるつもりだ。