世界3階級制覇を狙うボクシング界の「モンスター」井上尚弥(25=大橋)が3階級制覇した場合、賞金争奪最強トーナメントとなるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)に参戦することが濃厚となった。

 9日に英ロンドンでWBSSシーズン2でバンタム級の開催が発表されたことを受け、WBSSの共同プロモーターとなるカレ・ザワーランド氏が10日、英スカイスポーツの取材に応じ「井上尚弥とは2週間後となる25日の(WBA正規王者ジェイミー・)マクドネル戦に勝った場合、WBSSのトーナメントに出場することで合意している」と明かした。井上は25日、東京・大田区総合体育館でマクドネルに挑戦し、3階級制覇を狙うことになっている。

 既にWBAスーパー王者ライアン・バーネット(25=英国)、WBO王者ゾラニ・テテ(30=南アフリカ)、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(25=プエルトリコ)の出場が発表済み。同プロモーターは「既に3人の王者とサインできた。コンセプトは最強決定戦。マクドネル-井上戦は素晴らしい戦いだ。その勝者がトーナメントに出場するだろう」と強調した。

 今回のWBSS発表前から井上は「まず(3階級制覇の)結果を出したい。トーナメント(WBSS)の話もあるので」と前向き。参戦して勝ちあがれば他団体王者と拳を交えることになるため「スーパーフライ級では統一戦をやれたなかったので、ファンの望むカードをやりたい」と歓迎していた。

 WBSSシーズン1は昨秋からスーパーミドル級とライトヘビー級の2階級で開幕。シーズン1はファイトマネーが高額な中・重量級ということもあり、賞金総額5000万ドル(約55億円)、優勝賞金1000万ドル(約11億円)に設定されていた。