【グラスゴー(英国)20日=藤中栄二】ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝進出を決めたWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が5階級制覇の目標を掲げ、条件付きで元WBC世界同級王者ルイス・ネリ(24=メキシコ)との対戦にも前向きな姿勢を示した。

18日に同地でIBF王者ロドリゲスとの無敗王者対決を2回TKOで制した井上は20日までに日刊スポーツの取材に応じ、今後10年間のチャンピオンロードなどを口にした。

まずは年内にWBSS決勝でドネア(フィリピン)と対戦。さらに10年後について「僕は(2階級上の)フェザー級で活躍していると思います。10年後は引退しているかどうかぐらい。最終的にはフェザー級まで5階級ですね」と口にした。世界記録はデラホーヤ(米国)とパッキャオ(フィリピン)の6階級制覇。5階級制覇でもレナード、ハーンズ、メイウェザー(すべて米国)、アルセ(メキシコ)、ドネアら限られた選手しかいない。井上は「世界でも数人しかいないので」と日本人初の記録に挑む青写真を描いた。

昨年3月に体重超過でWBC王座を剥奪されたネリが処分が解けて活動を再開。現在、米国を拠点にしている。ネリがウエートを順守して王座戦線に本格的に戻ってきた場合に限って「対戦してもいいですよ」とのスタンスだ。井上は19日に移動したロンドンで一夜を過ごし、21日に帰国する。