新型コロナウイルス感染拡大の影響でプロレス興行の中止、延期が相次ぐ中、武藤敬司(57)がプロデュースするプロレスリング・マスターズの大会が行われ、会場は熱狂に包まれた。

今回は武藤の師匠であるアントニオ猪木氏(77)のデビュー60周年記念大会。試合後に猪木氏がリングに上がり、さらに武藤、蝶野正洋、越中詩郎、藤原喜明、藤波辰爾、木村健悟、前田日明、木戸修、長州力と猪木氏の弟子にあたるレジェンドらが集結し、師匠をぐるっと囲んだ。

マイクを持った猪木氏は「元気ですかー!元気があれば、なんでもできる」と第一声。「ここに来る途中、いろんなことを考えました。60周年なんかオレ関係ねえのにな」と大会の目玉にされたことを笑いながら愚痴りつつも、「熱い声援をもらったら、人前に出ることは素晴らしいこと」と喜びを語った。

さらに周囲、観客の声に背中を押され、武藤、蝶野、前田、長州にビンタで闘魂注入。「がんばっていこうよ。これからのプロレスが世界に向けて勇気と希望を発信できるように」と1、2、3、ダー! のかけ声で大会を締めた。

毎回人気の大会とありチケットは事前に完売。だが、コロナウイルス感染拡大の影響により、直前に約300件のキャンセルがあり、入りは8割程度にとどまった。メインのタッグマッチのセコンドに入った蝶野は客席に向かって「おいい、お前ら! よくもぬけぬけと出てきたな」と話し、笑わせつつつも、大会開催を決めた武藤に「心からお礼申し上げる」と感謝した。

試合後、武藤は「ここ2、3日追い詰められてたので、(猪木氏に)ビンタをもらってうれしかった」と、開催するかどうか悩んだことを明かした。さらに「今回マスターズやらなかったら、次1人欠けるかもしれないから、必死でやったんだよ」と決行に至った理由をブラックジョークで説明。「今の時点ではやってよかった」と胸を張った。