私は以前から那須川選手のボクシング技術を評価してきた。3年前には、75年にプロ3戦目で世界王座を獲得したムエタイ出身のサンセク・ムアンスリン(タイ)の記録に並ぶのは、日本人で彼しかいないと感じていた。そして、あれからも順調に成長している。技術的にはスピードがあり、強烈な左カウンターを持っている。この2点が特に素晴らしい。キックボクシングにもボクシングにも通じるパンチ感覚を持っていると言っていい。

22年のうちにプロデビュー戦を計画しているそうだが、村田諒太選手のプロ初戦のように、日本王者と対戦してもいいのではないかというレベルにある。若いし、これから伸びしろも十分。ボクシングの階級で言えばバンタム級、スーパーバンタム級あたりだろう。世界を狙える階級であることも魅力だ。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者、大橋ジム会長)