プロボクシングWBA世界バンタム級王者の堤聖也(29=角海老宝石)が、1年後の実現が現実味を帯びてきた世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)と、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(27=M・T)のビッグマッチを「全部ぶっ壊したい」と心境を語った。

31日に東京ドームホテルで行われた2024年年間優秀選手表彰式で、7年連続8度目の男子最優秀選手賞(MVP)を受賞した井上が壇上で「1年後の東京ドームで日本ボクシングを盛り上げよう」と、技能賞、KO賞、優秀選手賞を受賞した中谷に対戦を呼びかけた。これに壇上に座っていた中谷も「ぜひやりましょう」と応じて握手をかわした。

表彰式では殊勲賞の堤、井上、中谷の3賞(MVP、技能賞、殊勲賞)受賞者の記念撮影が行われたが、最後にカメラマンの希望で井上と中谷の2ショット撮影が行われた。これに堤は「あの一瞬ですごい悔しい気持ちになりました。関係者、ファンが望んでいる未来を全部ぶっ壊したいという気持ち」と表彰式後に本音を吐き出した。

実際に世界王座を奪取した昨年10月の井上拓真(大橋)戦では、順当に王者の井上拓が勝てば中谷との統一戦が予定されていたが、堤が判定勝ちして、中谷-井上拓の統一戦を消滅させたこともある。「拓真とやった時も中谷くんと拓真の統一戦が期待されている中だったんで」(堤)。

もっとも現在の自分の立場も分かっている。「実際に僕がこの1年でそれができるかというと、その位置にいないのは自分自身でも分かるから、出されたものを食べていくしかない。今までもそうだった。ずっと食い続けていけば欲しかったごちそうが出されると思う。それしかない」。

「ぶっ壊す」標的は同級のライバル王者の中谷。「目標にしている選手、WBCは欲しいベルトで彼がもっている。現実的にかなう相手かというとそうでもない、だから悔しい。でも目指すところはそこ。僕自身は強くなっている。だから強い相手と戦って勝ってこれている。それは自信持っている」。強い言葉に堤の世界王者としてのプライドがにじんでいた。【首藤正徳】