奇手の居反りを得意とする西幕下2枚目の宇良(23=木瀬)が、順調に2連勝を飾った。元幕内で西幕下筆頭の玉飛鳥(33=片男波)を、引っ掛けで破った。

 関取を通算50場所務めた相手を前に「飲みこまれそうになりました。関取を長年やってこられた方なんで」と萎縮しそうになったが、宇良らしく立ち合いから低く当たって相手を揺さぶる。前に出られたところを、土俵際でうまく左腕を手繰って、土俵下へと放り投げた。「自分の相撲を取ることができました」と言いつつも「今日はたまたま土俵際で技を仕掛ける距離がギリギリで、前に攻める姿勢がなかったら土俵を割っていた流れだった。紙一重の勝負。簡単ではないですね」と慢心はない。

 地元大阪場所で、幕下とはいえ館内からは連日の大声援を浴びている。だが、心ないファンから、取組前の準備段階で体をたたかれたことには「勘弁してほしい」と渋い表情。「(土俵に)上がってからの声援は力になるけど、集中してる時の声かけは勘弁してほしい」と懇願していた。