2横綱が敗れ、綱とりを目指す大関稀勢の里(30=田子ノ浦)にチャンス到来…。日本相撲協会審判部の部長で、この日の幕内後半戦を担当した二所ノ関審判長(59=元大関若嶋津)が、稀勢の里に吹く追い風を察した。

 白鵬、日馬富士と連続で敗れた土俵に「まさか2横綱がね。完璧だった白鵬が、こんなに早く2敗するなんて初めてじゃない?」と目を白黒。「これでチャンスが出てきた。誰かにね」と最初は、しこ名を伏せた。ただ、話すうちに綱とり大関の名前がポロポロと…。「稀勢の里には頑張ってくれなきゃ。今日は上手を取って安心だね。あれで十分。照ノ富士は腰が重いからゆっくりいった」と取り口を分析。さらに途中休場し、今場所は対戦しない大関琴奨菊(32=佐渡ケ嶽)の名前を出し「琴奨菊とは相性が悪かったしね、稀勢の里は。チャンスだよ、稀勢の里は」と、最後は包み隠さず、しこ名を口にしていた。