大相撲の福井巡業が2日、福井市内で行われ、横綱白鵬(31=宮城野)が急逝した九重親方(享年61、元横綱千代の富士)との思い出を語った。

 「(千代の富士は)ケガをしながら、左前まわしを取る型を作り上げた。それをまねして、今でも私の型、スタイルとして身に付いてやってます」と、九重親方の現役時代の取り口を参考にしていたことを明かした。

 昨年5月の還暦土俵入りで太刀持ちを務めたことも思い出の1つ。「最後にウルフと一緒に土俵入りできた。数十センチという近くで雲竜型の土俵入りを見られた。太刀持ちするのも、最初で最後じゃないかな」と語った。

 11年東日本大震災後には、被災地でともに炊き出しもした。「炊き出しをやった時に、親方との距離が縮まった気がしました。判断が速かった。力士のことを考えてくれてるんだなと、感じました」と話した。

 白鵬は、名古屋場所で痛めた右足親指について担当医から「(骨に)カゲがある」と診断を受けており、巡業の稽古と取組には参加しなかったが、土俵入りはこなした。巡業後は帰京し、墨田区の九重部屋を弔問した。