大相撲の夏巡業は16日、秋田市内で行われ、地元出身の幕内豪風(37=尾車)に秋田県民栄誉賞が贈られた。県内の福祉施設への度重なる慰問や学校訪問、そして秋田出身力士として、大関清国の持っていた幕内最多506勝を塗り替えた功績(現522勝)などが高く評価された。

 同賞は、プロ野球の落合博満や山田久志、ソウル五輪レスリング金メダルの佐藤満やロンドン五輪バレーボール女子銅メダルの江畑幸子、プロボクシングWBC世界スーパーフェザー級で王者に輝いた三浦隆司らに続く、個人15人目(ほか3団体)の栄誉。

 土俵上で、満員の観客に見守られる中で表彰状などを受け取った豪風は「大相撲に入って25年。25年前はまさか、県民栄誉賞をもらえるとは想像していなかった。一生懸命やってきて、目標を持って、夢を持って一日一日やっていれば、こういうところまでたどり着けるんだなと思いました」と感慨に浸った。

 横綱白鵬や大関稀勢の里、幕内遠藤といった人気力士をはるかにしのぐ歓声と喝采を浴び続けた豪風。取組後は「秋田に感謝」の垂れ幕を掲げて手を振った。「ふるさと秋田には温かいものがある。22歳で相撲界に入って、37歳の豪風は想像していなかった。東京五輪の4年後は41歳。41歳の豪風も想像はできないですが、41歳の豪風に向かって努力していきたい」と誓っていた。