大相撲春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新弟子検査が4日、大阪警察病院で行われ、56人が受検した。合格者は内臓検査を経て、初日の12日に発表される。

 東洋大相撲部で副主将を務めた大波渥(22)は、荒汐部屋に入門し、受検した。181センチ、114キロの細身の体で「石浦関みたいな力士があこがれ」と話すように、前まわしを取って前に出る相撲が持ち味だ。

 祖父が元小結若葉山、父が元幕下若信夫という家系で育ち、さらに長兄で三段目の大波(25)、次兄で幕下の剛士(23)も荒汐部屋に所属。合格し初土俵を踏めば、しこ名も「若隆景(わかたかかげ)」になるという。戦国時代の名将・毛利元就が3人の子供である毛利隆元、吉川元春、小早川隆景に伝えたとされる、結束の重要性を説いた逸話「三本の矢」。3兄弟の三男である、その小早川隆景の「隆景」の上に、祖父の元小結若葉山の「若」をつけた。「3兄弟で力を合わせて関取になるのが目標」と大波。合格すれば、三段目最下位格付け出しでデビューする。