大相撲夏場所(14日初日、東京・両国国技館)で昨年夏場所以来、丸1年ぶりとなる38度目の優勝を目指す横綱白鵬(32=宮城野)が11日、場所前の本格的な稽古を締めた。

 連日の出稽古を続ける白鵬はこの日、東京・江東区内にある伊勢ケ浜に足を運び汗を流した。

 約1時間半をかけて土俵周りで、四股やてっぽう、すり足など入念な準備運動を済ませ土俵へ。十両誉富士(32=伊勢ケ浜)に押し出された相撲以外は万全の取り口で、平幕の宝富士(30=同)と合わせ9勝1敗だった。

 途中休場した春場所以降、故郷・モンゴルで新規のトレーニングを採り入れ、試行錯誤もしながら調整を進めてきた。場所に臨むにあたり「本当に、やり切ったっていう感じだよね。ケガしてからベストを尽くして、いい状態で初日を迎えられるように考えてきた。少しずつ体も力も戻りつつあるのかな、という印象」と、ここまでを振り返った。

 最近の口癖でもある「(千秋楽の)最後まで、しっかり取り切ること。それだけでしょう」と慎重な姿勢は崩さない。出場を決めた横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)については「ケガもあるからどうかな、と思っていたけど、本人がやれるというのが(気持ちが)あったんでしょう。出る限りはね」と心中を察していた。