関脇経験者で東幕下14枚目の豊ノ島(34=時津風)が、今場所の3番相撲に登場。同16枚目の久之虎(29=出羽海)を押し出しで破り、無傷の3連勝とした。

 区切りの通算出場1700回目の土俵となった一番も、先場所途中から貫いている前に圧力をかけ続ける相撲でものにした。差してまわしを取っての相撲は「できれば取りたいけど、そこまで意識しない」と言う。「それよりも圧力をかけて前に出る相撲がいいと思うのでね」と、引退を覚悟した先場所の2番相撲から押し通している、前に前にの相撲で、以降はこれで9連勝。相撲に迷いがない。

 これで勝ち越しに王手。関取復帰には、負けが許さない状況は続くが「引退と隣り合わせの中、先場所から覚悟を決めて、気持ちの切り替えもうまくいっている。受ける相撲でなく、前に出る相撲を取りたい」。目の前の一番一番に集中した先に、朗報が待っている。