大相撲の荒磯親方(元横綱稀勢の里)が5日、TBSラジオ「元横綱稀勢の里 荒磯親方のスポーツキュリオシティ!」(午後5時)の初回放送に出演した。昨年春に早大大学院スポーツ科学研究科の修士課程1年制に進学した同級生で、同番組でパートナーを務めるTBS伊藤隆佑アナウンサーと、軽快なトークを披露した。

8月1日付で田子ノ浦部屋から独立して、地元・茨城に荒磯部屋を設立する同親方は、部屋運営のビジョンも語った。来年夏前後の部屋完成までは、同県つくば市の筑波大の中にある施設を使用する予定。相撲部屋は通常1部屋につき土俵は1つだが、荒磯親方は新設する部屋について「2面作りたいと考えている」とプランを練っている。アイデアは同県のJリーグチームから取ったという。「鹿島アントラーズですね、参考にさせてもらって。練習場が4面、5面あると話を聞いて。1面はジュニアの選手が練習して、こっちでトップ選手が練習するという。相撲にも使えるんじゃないかと。時間の効率も非常に良くなる。待ち時間もなくなる」とメリットを強調した。

わんぱく相撲の子どもたちにも、稽古に加わってもらいたいという思いがある。「隣でわんぱく相撲の子たちが稽古して、隣で関取が稽古することで、ああいうふうになりたいとなってくれれば。そういうところで(土俵の数は)1つより2つと考えた」と話した。

自身も小4のときにわんぱく相撲の全国大会に出場し、東京・両国国技館で相撲を取った。「そのときの衝撃、感動が忘れられず、その記憶だけで大相撲の世界に入った。やっぱり地元で相撲をやるところがなくて、一切相撲はやっていなかったけど、その記憶だけで。自分みたいな人もいると思う。体験させる、体感させることが将来の横綱を産めるチャンスかも分からない。そういう普及をすることも僕たちの使命だと思う」と話した。

荒磯親方は19年1月の初場所限りで現役を引退し、部屋付き親方として後進の指導にあたっていた。20年4月には、独立を見据えて早大大学院スポーツ科学研究科に入学。修士課程1年制を修了した今年3月には「新しい相撲部屋経営の在り方」をテーマにした修士論文が最優秀論文として表彰されていた。