AKB48グループ感謝祭が8日、千葉・幕張メッセで行われた。

 選抜総選挙で投票してくれたファンに感謝をするコンサートで、今年で2回目。

 今回は1~16位の選抜メンバー、17~80位に入ったランクインメンバー、81位以下で圏外だったランク外メンバーの3グループに分かれて行われた。ランクイン組の公演では、メンバーそれぞれの「推し席」が設けられ、自分のひいきメンバーごとに分けられた客席近くまでメンバー行った。写メの撮影OKタイムもあり、ファンにとっては満足度の高いイベントになった。

 3公演のうち、17~80位組と、圏外組の2公演を取材した。少人数ユニットで目立つ場面が多かった17~80位組と比較し、圏外組はほとんどが10人以上の規模で歌う全体曲だった。選挙結果による格差と言ってしまえばそれまでだが、来年こそはランクインを-と願うメンバーやファンにとっては、これ以上の発奮材料はないだろう。

 圏外組公演では、昨年も行われた「選抜総選挙延長戦」が開催された。6月に行われた選抜総選挙で、当日には発表されなかった圏外メンバーのうち、81~100位を特別に発表する試みだ。中でも、2人のメンバーの反応が気になった。

 99位で発表されたのは、SKE48市野成美(18)だった。知る人ぞ知る、劇場公演の守り神。急な休演メンバーが出ると、決まって「リリーフ」の声が掛かる頼れる存在だ。これまで総選挙でランクインしたことがなく、今年も速報87位からランク外だった。開票後、悔しさのあまりまともに立って歩けず、両脇をチームメートに支えられていたのが痛々しく、印象に残っていた。99位はもちろん圏外。だが、この日はよほどうれしかったのか、跳び上がって喜んでいた。

 対照的に、85位で呼ばれたAKB48チーム8鳥取県代表の中野郁海(17)は、涙を見せていた。あと1歩という悔し涙だった。速報66位のランクイン圏から、本番では無念の圏外。開票イベント後にも悔し涙を流す姿を目撃した記者も、当時の複雑な気持ちがよみがえった。

 今回の結果をモチベーションにできるかどうかは、メンバーの気持ち次第だろう。この日、順位を発表されたメンバーは20人。つまり、公演に出た残り200人以上のメンバーは、101位以下であることが分かり、名前すら呼ばれなかった。傷口に塩を塗るような残酷さもある一方で、市野のようにようやく自分の立ち位置が分かったメンバーがいることは、少なからず救われた気分になった。