AKB48本田仁美(21)が、新シングル「どうしても君が好きだ」(26日発売)で2度目のセンターを務める。このほど取材に応じ、30日の9周年コンサートで活動休止する“原点”チーム8や、グループで活動する現在について語った。【聞き手=遠藤尚子】

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新曲は恋の切なさを歌った王道恋愛ソングで、「青春の1ページがテーマです」。初センターを務めた前々作「元カレです」では、熱血ダンス指導が周囲から「本田警察」と評されたが「今回は厳しすぎない本田警察を目指しました(笑い)。自分から話しかけにいったり、コミュニケーションをとったり、寄り添う言い方になったのかな」と心がけを話す。

昨年5月にお披露目された17期生から佐藤綺星(18)平田侑希(20)山崎空(18)の3人が選抜入り。音楽番組の収録では佐藤の顔つきの変化に驚き、「キラキラした目や笑顔が印象的だったけど、鋭いまなざしに引きつけられるものがあった。まだ加入して1年もたってないのに、こんな表情もできるんだ」とメンバーの成長に刺激を受ける。

グループにとってもレーベル移籍後の初シングルで、自身も4月にデビュー10年目という節目が重なり「グループとしても個人としても、新たな姿を見せていかなきゃいけないと思っています」。

14年に47都道府県の代表からなるチーム8の栃木代表として加入。チーム8は、30日の9周年コンサートをもって活動に区切りを付ける。「会いに行くアイドル」として全国を飛び回り、先輩がいないなどの苦労もあったが「だからこそ自分たちで新しいやり方を考えたし、みんなで一生懸命頑張ってこられました。今の自分があるのはチーム8のおかげ」とアイドルとしての土台を築いた。

加入当時は最年少の12歳。年上メンバーにいたずらを仕掛ける生意気ぶりも温かく受け入れられ、「お風呂に入っている時に電気を消したり、ホテルでピンポンダッシュしたり(笑い)。それも全部許してくれた。本当にいいメンバーたちに囲まれていたなと、すごく思います」と思い出を語った。

加入時に掲げた「AKB48のセンター」という夢をかなえたが、「現状にいつでも満足できない性格」と上を目指し続ける。18年10月からの2年半はIZ*ONEの一員として韓国を中心に活動。そこで得た経験をメンバーに伝えることは「自分にしかできない」と使命も感じている。

大勢の中で自分の個性を発揮できず、悩んだこともあった。ダンスをはじめとした卓越したスキルに、ソロとしても各所から引く手あまただが、今こそAKB48にいる意味を感じている。

「いい景色を見るためにつらいことは必要不可欠なんだと、この10年で学びました。つらいと思った時こそ、明るい未来が待ってる予兆。今いるべきところで必要としてくれたらうれしいし、自分にしかできないことを一生懸命頑張って、その姿をファンの方に見てもらいたいんです」

◆本田仁美(ほんだ・ひとみ)2001年(平13)10月6日、栃木県生まれ。14年にAKB48チーム8の栃木県代表として加入。18年の選抜総選挙で82位にランクイン。同年、日韓共同プロジェクト「PRODUCE48」で第9位となり、21年4月までIZ*ONEの一員として活躍。昨年5月発売のシングル「元カレです」で初センター。昨年7月、日本テレビ系「オクトー~感情捜査官 心野朱梨~」でテレビドラマ初出演。同10月、テレビ東京「北欧こじらせ日記」でテレビドラマ初主演。

※山崎の「崎」は正しくはたつさき。