宝塚歌劇団に厳しい目が向けられている。

宙組に所属する劇団員の女性(25)が亡くなった問題をめぐり、歌劇団は14日に記者会見を行い、弁護士による外部調査チームの報告書を公表した。しかし、長時間の稽古など過密スケジュールや上級生からの指導・叱責(しっせき)が重なった結果、「強い心理的負担がかかっていた可能性が否定できない」としたものの、遺族が訴えていたいじめや暴言などのパワハラについては「確認できなかった」と認めることはなかった。

そんな歌劇団の会見に「真相解明にほど遠い」などと批判の声が相次いでいる。特に問題だったのは、4人の劇団員が調査チームの聞き取りを辞退したことを明かしたが、その理由を質問されても「ご容赦ください」と説明を拒んだことだった。聞き取り拒否の背景に何らかの意図があったのではと疑われても仕方がないだろう。

会見では「宙組に問題があったとは考えていない」と話していたが、東京宝塚劇場で11月25日から12月24日まで上演予定だった宙組公演について、12月14日まで中止することを17日に発表した。12月15日以降は未定としている。会見をひと区切りとして、宙組の東京公演を予定通り行う選択肢もあったかもしれないが、亡くなる前日まで女性と一緒に舞台に立っていた宙組の多くの劇団員に、平常心で公演に臨ませるのは酷だろう。私も宙組公演を観劇予定だったけれど、正直言って、今の状況では心から楽しんで見られなかったと思う。

会見では理事長が責任を取って辞任することや、公演や稽古の見直しなどの対策を表明したが、求められるのは前時代的な上下関係や閉鎖的な体質の改善・改革だろう。歌劇団も宙組だけでなく全劇団員に聞き取りを行い、改善策を検討していくという。今こそ、改革への本気度が問われている。【林尚之】