心温まるラブコメディー。次期アメリカ大統領候補で世界を股にかける美と知性を兼ね備えた女性国務長官シャーロットと、うだつのあがらないジャーナリスト、フレッドの恋物語。これだけ聞くとありきたりな物語に聞こえるだろうが、そこはアメリカンジョークと“下ネタ”を織り交ぜたコメディーとして描くことで解決している。

シャーロットを演じるのは「モンスター」(03年公開)でアカデミー賞主演女優賞獲得のシャーリーズ・セロン(44)。フレッドはコメディアンとしてデビューし、俳優はもちろん監督、脚本まで手がけるセス・ローゲン(37)が演じている。

同作は音楽へのこだわりも強い。2人が出会うシーンには「ボーイズ2メン」本人が出演。心がすれ違う場面では、映画「プリティ・ウーマン」のクライマックスでも使用された楽曲が使用されたり、アレサ・フランクリン、ブルース・スプリングスティーンらの音楽がさまざまなシーンを演出している。

正直に告白すれば期待せずに見た作品だった。それだけに当たりを引いた気分になれたし、実際、笑顔になれる作品だった。

【川田和博】

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