マーベル・コミックの中でも、特にアクの強いキャラクターを組み合わせた異色のヒーロー映画だ。
経緯をたどれば、超合金の骨格を持つミュータント、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の肉体治癒能力を移植され、驚異の身体能力を得たのがデッドプール(ライアン・レイノルズ)である。本来兄弟のような2人だが、義侠心(ぎきょうしん)に厚い前者と無責任を絵に描いたような後者は水と油の関係だ。
そんな2人が、世界を「虚無」に塗り替えようとする最凶のミュータント、カサンドラ(エマ・コリン)に立ち向かう。
ウルヴァリンの爪やデッドプールの日本刀-刃物が多用されるから、いつになく血なまぐさい。デッドプールが得意とする放送禁止用語も言いたい放題だ。
両シリーズをおうように配給してきたFOXがディズニー傘下となって初の作品。夢の国ブランドのタブーに抵触しないかと心配になったが、劇中ではあの「アナ雪」までがイジられる。楽屋落ちを超えた業界ネタに笑わされる。
「良心的」であり続けるための自縄自縛のうっぷんを、ディズニー自体が晴らしているような気がした。【相原斎】
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