関西で活躍するタレント・芸人はたくさんいるが、そのなかで「一番の売れっ子は誰なのか?」と、記者なりに考えてみた。

異論はいるかもしれないが、わたしの答えは、メッセンジャー黒田(55)。

特に、ここ数年の充実ぶりはめざましい。在阪テレビ局のレギュラーだけでも、カンテレ「ちゃちゃ入れマンデー」「旬感LIVEとれたてっ!」、MBS「よんちゃんTV」「ゼニガメ」、テレビ大阪「大阪おっさんぽ」と出まくっている。

スタジオ出演だけでなく、若手芸人のように、街中でのロケにも積極的に出向くのがすごい。そのうえ、ネット番組でも定期的に自分らしさを発信している。

もちろん本職の漫才でも、コンスタントになんばグランド花月(NGK)の舞台に立っている。メッセンジャーの漫才の面白さは折り紙付き。「NGKに行きたい。誰の出番の時に行けばいいか?」と友人知人から相談を持ちかけられたなら、迷わず「テンダラーか、メッセンジャーなら、間違いない」と、わたしは答える。

その黒田が6年ぶりに演劇の舞台に立った「VS・」(7月26~28日、大阪ABCホール)の取材会で、わたしは本人に直接尋ねてみた。

「幼い子どももいる55歳のベテラン芸人が、こんなに忙しいうえ、今回は演劇にも出る。そこまでフル回転できるモチベーションは何か?」

「この芝居出演が決まった1年前には、ここまで忙しくなるとは思ってなかった」と黒田は前置きし、以下のように続けた。

「ただ周囲を見ると、吉本の社員を見ても同世代の人は定年まであと数年。60歳になるまでは、僕も刺激になることをやり続けたい。(経験があるので)汗をかいているつもりでも(多くの課題は)できてしまうようになった。生の客席を前に、責任感をもって取り組みたい」

黒田と言えば「しかめっつら」「ドスの利いた低音」「毒舌」と思う人が多いかもしれないが、ここでは真摯(しんし)に、仕事に賭ける思いを打ち明けてくれた。

今が、あるいはこれからが、黒田の黄金時代だと確信できる言葉だった。

黒田はコンビでも、ピン(1人)でも、いい仕事をしている。メッセンジャーがおもしろいのは、相方(あいはら)もまたピンでカンテレ「マルコポロリ!」、読売テレビ「ten!」やMBSラジオ「Youはこれから!」などに出演。ラジオのリスナー対象に公開イベントを公開すれば、チケットは即日完売確実。メッセンジャーは一人一人が個性を発揮してファンを獲得している。

黒田、あいはらがそろうレギュラー番組はMBSラジオ「それゆけ!メッセンジャー」のみだが、とにかくキレッキレの本音丸出しトークが楽しい。この番組が関西でも指折りの人気だというのも当然といえば当然。聞けば、黒田が大阪トップの売れっ子だということも分かってもらえるだろう。【三宅敏】