将棋の女流タイトル戦の最高位、第6期白玲戦7番勝負の西山朋佳白玲(清麗・女流名人・女流王将=31)対福間香奈女流4冠(女王・女流王座・女流王位・倉敷藤花=34)戦が22日、千葉県浦安市で開幕しました。西山白玲は劣勢から「豪腕」を発揮して逆転勝ち。好発進しました。昨年、白玲を通算5期獲得すれば棋士になる権利が与えられる制度が導入され、通算4期の西山白玲が防衛すれば、史上初の女性棋士が誕生する可能性があります。

西山白玲は第8期清麗戦5番勝負で挑戦者として福間からタイトルを奪取し、自身最多タイの女流4冠となりました。清麗戦の勢いを白玲戦にどうつなげるかを問われると、「1ついい結果を出せたのは自分の中で糧になると思う。(清麗戦の)シリーズの反省点をいかし、新しいシリーズではその時々の課題を持ってやっていきたい」と話しました。

白玲戦については「変わらず、いつも通りで、そのときどきの悔いのないように挑んでいければと思います」と自然体を強調しました。

西山白玲は中学2年だった10年に棋士養成機関の奨励会に入り、20歳で最高段位の三段まで駆け上がりましたが、棋士にはあと1歩届きませんでした。21年、25歳で奨励会を退会し、女流棋士に転向しました。

将棋界には男女の区別がない「棋士」と、女性だけがなれる「女流棋士」の2つの制度があります。棋士になるには原則として奨励会を突破するか、公式戦で規定の成績を収めて編入試験に合格する必要があります。新制度は女流棋戦のみの活躍で棋士になる道を開くもので、賛否両論がありましたが、日本将棋連盟の通常総会で可決されました。

西山白玲は24~25年、棋士編入試験5番勝負に挑みましたが、2勝3敗で不合格となり、将棋史上初の女性棋士誕生はなりませんでした。白玲戦開幕前には「注目されているのは意識している。目の前の一局一局に集中したい」と語り、棋士資格を得た場合の権利行使については言及しませんでした。

清麗を奪い、自身最多タイの女流4冠で迎えた大一番。奨励会、編入試験で届かなかった夢に、今度は女流棋戦の頂点から近づく。女性初の棋士誕生へ、新たな道筋が見え始めています。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)