10月から始まる秋ドラマ。過去イチと言っていいほど韓国ドラマ色が濃厚なラインアップとなっています。出演する韓国俳優のランクも、リメイクする作品のステータスも、ここ数年の話題作り系とはレベルが違うというか、横一線で新たなフェーズに入った印象。象徴的な3作を紹介します。
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◆「南田南弁護士は天才肌」(カンテレ・フジテレビ系、10月10日スタート、月曜10時)
自閉スペクトラム症と天才的頭脳を持つ新人弁護士の活躍を描き、世界的大ヒットを記録した韓ドラ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」(22年)をリメイク。人生で一番の“インセンドラマ”に挙げる人も多く、その点では「シグナル」「ミセン」(放題「HOPE~期待ゼロの新入社員」)あたりに続く大型リメイクと感じます。
生まれ持った個性によって苦労もしますが、この人だからたどり着ける突破口がしっかりとあり、社会問題をとらえた各話の依頼にいい読後感があるんですよね。芦田愛菜(22)のキャスティングはうまいと思います。本家の主演パク・ウンビンに似たオーラを感じますし、キュートさと芯の強さをあわせ持つヒロイン像がいかにも合います。
よき理解者となるパラリーガルの高橋文哉(25)もナイスキャスティング。リーガルドラマとしても恋愛ドラマとしても秀逸なのがこのドラマのすごいところで、「クジラ」をきっかけに2人がどう歩調を合わせていくか楽しみです。
ついでに言えば「南田南」のネーミングも好感。韓国版は自己紹介の際に「トマト」「スイス」など回文が登場するのですが、Netflixの日本語訳で出てくる単語のひとつが「南」。こういう遊び心にも送り手の原作愛を感じます。ここ数年、韓ドラリメークは残念な縮小再生産に終わりがち。日本ならではの志あるリメイクを見せてほしいところです。
◆「kiDnap GAME」(フジテレビ系、10月6日スタート、火曜9時)
坂口健太郎(35)主演。アジア7カ国で同時誘拐事件という大型プロジェクトで、娘を誘拐されたソウルの医師役にイ・ジュンギ(44)がキャスティングされています。
ここ数年、日本ドラマのあちこちで韓国のネクストブレイク俳優や名脇役が出演していますが、イ・ジュンギはそのあたりとは存在感がまるで違うキレッキレのスター俳優。この人が出ると聞いて、急にプロジェクトのスケール感や本気度を実感した次第です。
美しいビジュアルでロマンスものも得意ですが、やはりイ・ジュンギの魅力は圧倒的な演技力。2つの人格の苦悩と再生を演じた「悪の花」(20年)はその真骨頂でしたが、今回もキャラクターの感情に受け手をぐいぐい引き込んでくれるはず。韓国芸能界トップクラスの演技力をチェックしてみるだけでもおすすめです。
◆「メリーベリーラブ」(日本テレビ系、10月7日スタート、水曜10時)
K映画、Kドラマ界を代表する主役俳優のひとりであるチ・チャンウク(39)が、今田美桜(29)とダブル主演でラブコメディー。一夜にして地位も財産も失った韓国のスターが、日本の小さな島で農業女子と出会うというストーリーです。
見た目もハートもイケメンという、できすぎな韓流スター。ロマンスの名手であるのはもちろんのこと、「操作された都市」(17年)のようなアクションものも大得意。23年には、韓国ノワールの傑作「最悪の悪」で究極のバイオレンスを演じ、ドラマファンの度肝を抜いています。
個人的にはチ・チャンウクは傷だらけのアクションで見たい派なのですが、日本でラブコメというのもある意味貴重。「島」「第1次産業」をテーマにしているあたり、済州島の幼なじみの恋を描いた「サムダルリへようこそ」(23年)のような、人間味あふれるラブコメになることを期待しています。
【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)







