【カンヌ(フランス)14日(日本時間15日)=村上幸将】カンヌ映画祭コンペティション部門に出品された「海街diary」(是枝裕和監督、6月13日公開)の公式上映が行われた。4姉妹を演じた綾瀬はるか(30)長沢まさみ(27)夏帆(23)広瀬すず(16)は、これから女優としてさらに飛躍し、再びこの地に戻ってくることを誓った。

 「魔法にかけられたよう」。長沢の言葉が4人共通の感情を示していた。最高賞パルムドールを争う作品の女優は、メーン劇場「グラン テアトル リュミエール」の深紅のレッドカーペットを歩き、世界から熱視線を注がれる。それを実感し、4人は上映前に胸を押さえた。

 上映中、幾人もの女性が涙した。エンドロールに綾瀬の名前が流れると、約2000人収容の会場に拍手が起こり、スタンディングオベーションが約10分間続いた。笑顔で拍手を送る老若男女。感激した4人は何度も顔を見合わせ、照れくさそうに笑った。

 香港映画「太平輪」の宣伝で、昨年もカンヌ映画祭に参加した長沢は言った。「街全体に活気がある。映画1つで世界の人が集まり、すごいエネルギーがある。頑張ろうと思える場所」。コンペ部門での参加は初めてで、「去年、コンペで来たいと思いました。(賞が絡むと)全然、違った」と表現した。

 初参加の3人もカンヌに魅了されていた。

 綾瀬 本当に映画を愛する方がすごく多い。また来てみたいと思いました。

 夏帆 日本にいると、なかなか世界を知る機会がない。貴重な夢のような体験。また絶対にカンヌに来られるよう頑張ります。

 2度目の海外となった16歳の胸にもカンヌは深く刻まれた。

 広瀬 こういう作品を任せてもらうのは、なかなか16歳ではできない。もっと、もっとカンヌを味わいたい。大人になって、また立てるような女優になりたいです。

 是枝監督は、欧州を中心に「東京物語」などで世界に認められた小津安二郎監督と作風が近いとされ“小津の孫”とも評される。今作も、映画祭関係者から「小津の影を感じさせる」と評された。そんな名匠に導かれた4女優は、カンヌで世界を知り、また階段を上った。