歌舞伎俳優尾上松緑(40)が東京・歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」(10月1~25日)で祖父2代目松緑が得意にしていた「梅雨小袖昔八丈 髪結新三」の主人公、新三を初めて演じる。15日に取材に応じ、祖父の二十七回忌追善として上演する同演目への意気込みを語った。祖父、父の初代辰之助(3代目松緑追贈)も30代半ばで初めて務めた新三役。今年40歳の松緑は「生涯やることはないと思っていました。ありがたい話です」。

 小悪党の新三は、役者によってまったく違って見える。「かわいげを抑え、苦み走った悪党の部分を出したい。祖父に伝わってきた新三を引き継ぎたい」。髪結の小道具は、祖父があつらえた物を使うという。

 昼の部「矢の根」「人情噺文七元結」も追善と銘打たれた。「それだけ祖父が偉大ということ。ファンの方には祖父を知らない方もいるので、僕の芝居を見て、興味を持ってくれれば祖父孝行の1つになる」。思いを込めて舞台に立つ。