“ひふみん”こと将棋の加藤一二三・九段(77)が作り出す「ひふみんワールド」が面白すぎる。

 7月からワタナベエンターテインメントに所属し、本格的にタレント活動をスタートさせている。先日、所属事務所の先輩にあたる平野ノラと、イベントに出演していたところを初めて取材したが、平野がかすむほど、強烈な個性を放っていた。

 「ぶっとびゲスト」として呼ばれ、とんでもない「ぶっとびエピソード」を披露した。それは「別人と対戦していたことに、対局途中で気がついた」というもの。もう十分にぶっとんでいるが、これだけでは終わらなかった。

 司会者から「その後どうなったんですか」と聞かれると「10年も前のことなのでね…」と、まさかの「覚えていない」発言をしたのだ。10年前といったら、その棋士人生においては、最近の出来事なはず。覚えていないなんて、さすがひふみん、ぶっとんでいる。

 さらに「幸いだったのが、2人とも振り飛車が好きな棋士だったこと。私は居飛車の達人なので、対局するのには、支障はなかったんです」とサラリと言ってのけた。もはや、対局相手が間違っていたことなど、気にもとめていないのだろうか…。

 しまいには「戦ってる相手が別人だったって言うのは、おったまげ~ですよね」と、平野の持ちネタ「おったまげ~!」を拝借してみせた。これには、平野もおったまげ~!といった様子だった。

 77歳にしてタレントデビューしたひふみん。番組やイベントのほか、日刊スポーツ本紙でも、連載「お悩み解決!ひふみんの金言」を持つなど、活躍の幅を広げている。いろんな意味で、今後どう展開していくのか楽しみだ。