関西の怪物番組「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ、金曜午後11時17分=関西地区)の30周年特番(3月30日、4月6日)が23日、大阪市内で収録され、西田敏行局長(70)は、現役最古参探偵の石田靖(52)とともに取材会に臨んだ。

 「僕もバラエティーは好きで、数限りなく見ていますけど、ナイトスクープに勝る番組はないですね」

 番組は88年3月にスタートした関西伝統の視聴者参加型バラエティー。視聴者のたわいない依頼に、探偵が真剣に取り組み、初代局長は元タレントの上岡龍太郎さんが務めた。98年4月24日には最高視聴率32・2%を記録。関西のテレビ界を代表する名物番組に成長した。

 西田は関西の出身ではないが、以前から番組ファンで、上岡さんの引退にともない、01年1月に2代目局長に就いた。

 「バカだね~、いとおしいね~。くだらない話から感動物まで、全部くるまってる番組なんですよね」

 すでに局長として、上岡さんを超える年数を経ており「上岡さんは大人でかわいた笑いを追求したマスター・キートン。僕は、泣きが入ってちょっとウエットで、チャプリン」と、喜劇の2大巨頭をたとえに番組の変遷を表現した。

 上岡さんが引退後も、ゴルフなどで会ったといい、その場では仕事の話をすることはなかったそうだが、後日、上岡さんが「西田さんらしいナイトスクープになった」と言っていたと伝え聞いたという。

 西田は「芸人さんは人前で泣くのは恥ずかしいんでしょうけど、僕の場合は垣根がなかった。ハンカチを忘れた時は、鼻水も涙も流しっぱなし」と振り返り、局長自身が“視聴者代表”として、番組を楽しんでいる。

 「関西の人はノリがいい。おもしろいおやじもいっぱいいて、役者としても、おやじ役の引き出しが増えた」とも話した。

 そんな愛すべき西田を局長に迎えた石田は「上岡さんのときはピリッとした緊張感があって、笑いにつながっていた。西田さんは、ちょっと、涙腺のパッキンがこわれてるんちゃうか言うくらい、泣いて笑って。できることなら、ずっと(探偵で)出ていたい」と話していた。