「坂道合同オーディション」が、“国民的オーディション”になるかもしれない。

 乃木坂46、欅坂46の「坂道シリーズ」が、今夏に、新メンバーを募集する合同オーディションを開催することが9日、日刊スポーツの報道で明らかになった。合同オーディションは初めて。非常に画期的な試みだと感じた。

 坂道シリーズには、乃木坂46、欅坂46、そして欅坂46の妹分グループけやき坂46(ひらがなけやき)の3グループがある。それぞれに違う個性があるが、坂道シリーズ全体のファンも多い。昨年12月に映画「鋼の錬金術師」の舞台あいさつで「あなたは『何』命ですか」と聞かれた女優本田翼(25)が、「坂道命」と答えるなど、若い女性からの人気も高い。

 「清楚(せいそ)で上品」を基調に幅広い分野で活躍するメンバーを輩出し、日本レコード大賞も獲得した乃木坂46。体制への反抗を歌ったメッセージ性の強い歌詞と、かっこよくて力強いパフォーマンスが持ち味の欅坂46。見る者を幸せにする「ハッピーオーラ」が武器で、個性派メンバーが集まったけやき坂46。夏のオーディションの詳細は未定だが、各グループの特色が違うだけに、最終的な加入先については、応募者の希望がまったく反映されないとは考えにくい。

 推測でしかないが、応募者の希望を何がしらかの形で踏まえた上で、選考が進んでいくのではないだろうか。応募者によっては、相性や個性を鑑みた運営サイドから、希望とは別のグループをすすめられることも考えられる。はたまた、「坂道ならどこでもいいです!」と宣言する超魅力的な応募者がいた場合、各グループ同士のアピール合戦となり、最終的に「逆指名」で決着することもあるかもしれない。いずれにせよ、従来のグループごとに募集するスタイルより可能性は広がりそうだ。

 アイドルに憧れる全国の少女たちにとっては、この夏のビッグイベントになりそうだ。さらに、乃木坂46白石麻衣(25)西野七瀬(23)や欅坂46渡辺梨加(22)ら、ファッション誌でモデルとして活躍するメンバーも多く、乃木坂46生田絵梨花(21)のように女優としてキャリアを積むものや、秋元真夏(24)高山一実(24)のようにソロでバラエティー番組に出演するメンバーもいる。応募の枠は、アイドル志望者だけにとどまらないかもしれない。

 現時点で、坂道シリーズでは16年夏の乃木坂46の3期生オーディションの応募総数4万8986件が過去最高だが、運営関係者は「坂道合同オーディションとして、過去最高となる10万人の応募を目指します」と話す。

 10万人規模というと、米倉涼子(42)や上戸彩(32)を輩出した「全日本国民的美少女コンテスト」など、日本を代表する一部のオーディションに限られる。人数だけで単純比較はできないが、もしかすると「坂道合同オーディション」が本当に10万人以上の応募を集め、アイドルファン以外も注目するような一大オーディションになるかもしれない。