大江戸ワハハ本舗・娯楽座の本公演「化け猫ロッキーホラーショー」が、18日に東京・中野の劇場HOPEで初日を迎える。化け猫たちが住む館に迷い込んで取り込まれた人間たちを、化け猫が作った人造人間が問題を解決して自由にする物語。白川和子、猫ひろし、アジャコング、西垣恵弾が日替わりゲストとして出演する喜劇。23日まで。

男に恨みを持った飼い主に飼われ、その恨みを食って生きてきた化け猫役の雨宮あさひ(30)は、共立女子大文芸学部劇芸術コースを卒業して入団6年目。「お芝居というよりお笑いをやりたかった。となると吉本新喜劇かワハハ本舗しかなかった。ワハハは自分たちでネタを作って、舞台装置も自分たちで作るのが魅力でした」と振り返る。

ワハハの手伝いを始め、全国公演にも勝手について回り、そのガッツが認められて入団にこぎ着けた。「ワハハの担い手として、創設者の喰(始)さんの演出を勉強して、表現できるようになりたいと」と言う。現在の目標は、娯楽座のロング公演。15年に脚本家の三谷幸喜氏(57)が監督した映画「ギャラクシー街道」を元にした「『ギャラクシー街道』の逆襲」という舞台、そして「娘盛りの次郎長一家 サウンドオブ三度笠」の再演だ。

「化け猫-」に客演する宝塚男役出身の汐美真帆(44)は、クイーンと呼ばれる人造人間役。発達した知能を持ち、迷路にはまった人間たちを救い、結びつける。昨年10月に出演した舞台の演出家として出会った、ワハハ本舗主宰の喰氏に誘われて、今年5月に「娘盛りの次郎長一家 サウンドオブ三度笠」に出演した。宝塚とワハハ本舗の異色のコラボにも「今年1年は喰さん一色ですね。コンサートの演出も手掛けてもらいましたから」と言う。

91年に宝塚入団。04年に退団して、翌年から2年間、ニューヨークに語学留学した。「宝塚が私の人生の夢でしたから舞台は十分。自分探しもあって、ニューヨークに行きました」と振り返る。男役の殻から抜け出し始めた頃に、ミュージカル「レント」のオーディションを知った。「それこそ、ニューヨークから日帰りみたいな感じでオーディションを受けに帰ってきて、受かって火が付いた。気がついたらここにいます」と笑う。

「最近、やっとスカート姿に慣れてきた」という汐美の夢は「表現者として舞台を見る人の裾野を広げること。あとは特別養護介護施設で認知症の方に、ボランティアで歌ったりしています。そういう活動を広げていきたい」と話している。