役所広司(62)が25日、東京・EXシアター六本木で行われた、第31回東京国際映画祭オープニングセレモニーで「自分の顔が、あまり好きじゃないんで」と笑いながら語った。

今年の東京国際映画祭では、Japan Now部門で俳優生活40年を迎えた役所の特集上映「映画俳優役所広司」が企画された。95年「Shall we ダンス?」(周防正行監督)、97年「うなぎ」(今村昌平監督)、97年「CURE キュア」(黒沢清監督)、11年「キツツキと雨」(沖田修一監督)そして5月公開の「孤狼の血」(白石和彌監督)が上映される。

役所は「今回、私が参加した約20数年にわたる5本の映画を、企画として上映していただくことになりました。感謝します」と特集企画に感謝した。その上で「人間というもの…役者が、どうやって肌とか、いろいろなものが劣化していくか。使用前、使用後を楽しんでいただければ光栄です」と自虐ネタを口にして場内を笑わせた。

その上で、役所は「本当に、今回、初めて40年、俳優をやっていることに気付いた。ありがたいし、作品に関わったキャスト、スタッフを懐かしみ、感謝したい。すばらしい監督たちの作品…楽しんでいただけると思う」と、今回の特集企画で、初めて自身の役者人生が40年に至ったことを自覚したと語った。

俳優の中には、自らの出演作を繰り返し見る俳優もいれば、一切見ない俳優もいる。役所は、どちらのタイプかと聞かれると「僕は、自分の作品は見ないです。自分の顔が、あまり好きじゃないんで…」と照れ笑いを浮かべた。そして「老後の楽しみにね、取っておこうと思っているんです」とも語った。

翌26日に特集上映の1本目「キツツキと雨」が上映され、役所は舞台あいさつに登壇し、撮影当時の裏話をするという。役所はオープニングセレモニーの壇上で早速「(撮影の)3カ月前からダンス教室に通ったんですけど…踊るのが恥ずかしかった」と「Shall we ダンス?」撮影当時の裏話を明かした。その上で「お客さまとお話しする機会もない。上映前後に登場します。昔なので時効になった話もある。楽しみにしてください」と笑みを浮かべた。【村上幸将】