俳優柳楽優弥(28)が19日、東京・新宿ピカデリーで行われた主演映画「夜明け」(広瀬奈々子監督)の公開初日舞台あいさつに出席した。是枝裕和監督の弟子にあたる広瀬監督にとってデビュー作となる。

是枝監督の「誰も知らない」(04年)でデビューした柳楽は「是枝監督の作品でデビューして、1周まわってお弟子さんのデビュー作で主演をやらせていただくというのは、ありがたく思っています」と喜んだ。広瀬監督は「デビュー作をこんな立派な映画館で、豪華なキャストで迎えられて、感謝しています」とあいさつした。

柳楽は小林薫(67)との共演について、「小林さんにいていただくとクオリティーが上がるというか、現場の偏差値が上がる。やっぱり僕自身もついていかなきゃいけないと思いますし、おこがましいですけども、負けたくないと思う。引っ張っていただきました」と感謝した。

小林は「偏差値が上がっているのか下がっているのかよくわかんないんだけど…」と照れ笑いした上で「演者の頭の中で最初からイメージがかたまり過ぎていると、監督のイメージと違った時にほぐすのが大変だから、緩やかな化学反応ができるようにしといたほうがいいかな、っていうのはありましたね」と振り返った。

平成最後となる今年の抱負を聞かれ、柳楽は「平成という時代に、是枝監督の『誰も知らない』でデビューして、平成の最後のタイミングで『夜明け』という作品に参加させていただけて、僕にとってもこの作品が夜明けになると思いますし、しなければいけないと思っています。ここで得たものを、次の元号に引き継いで、引き続き上を目指して頑張りたいです」と意気込んだ。

一方、小林は「抱負とかチャレンジとか、思ったことがないので…。成り行きで生きてきたので」と苦笑い。「昨年の秋口、子どもが欲しいというんで犬を買ったんですよ。当の本人は学校やらで家にいなくて、結局僕が散歩とかに連れていってるんです」と明かし、「散歩中に、ママ友みたいな感じで、他のワンちゃんに『お名前は?』とか聞いたりしています。抱負としては、これを1年間は全うしたいと思いますけどね」とマイペースに答えて、笑いを誘った。犬はプードルとコッカー・スパニエルと掛け合わせた「コッカープー」と呼ばれる雑種だという。