聖火リレーのリハーサルで女優石原さとみ(33)を取材した。

聖火リレー公式アンバサダーを務め、長崎県を走ることが発表されている石原だが、リハーサルでは東京・羽村市を走った。初の聖火リレーリハーサルを一目見ようと多くの人が沿道に駆けつけ、取材陣も芸能担当、五輪担当が集結した。

リハーサルということもあり、石原が聖火リレーを行う次走者は、代役が務めていた。普通はそれぞれの区間の区切りで1度、聖火を引き継ぐトーチキスをしてリレーをしていくが、メディアのためにトーチキスを何度もいろいろな角度で披露してくれた。

そこで驚いたのは、2人のトーチキスのタイミングがバッチリなことだった。石原は次走者と笑顔で何度も声を掛け合い、トーチキスをして、ハイタッチで送り出していた。代役の次走者が緊張しない空気感を作り出していた。

走りだす場所までの移動車の中で前後の走者と話す時間があったといい、そこで「Hope Lights Our Way」ポーズというトーチキスのやり方を打ち合わせたという。わずかな時間であったと想像されるが、その中でもしっかりとコミュニケーションをとったのだろう。実に親しげな様子だった。

メディアへの気遣いも忘れなかった。何度トーチキスや視線を要求されても笑顔を絶やさず、次走者への声掛けも絶やさず、リハーサルを全力で楽しんでいる様子だった。沿道に詰めかけた観客にも笑顔を振りまき続けていた。

自分が本番で走る区間でもなく、リレーする相手も本番の走者とは異なっていても、短い時間で完璧なパフォーマンスをみせた。誰にでも親しげに接する姿が印象的だった。走り終えての囲み取材では「緊張とワクワクが入り交じる感じ。沿道のみなさんからすごくパワーをもらい、前のめりになってしまった。もう少しゆっくりお願いしますと注意されました。リハーサルをさせていただいて本当によかったです」と語っていた。走る側の気持ちだけでなく、観客やリハーサルの主催者側の思いまで思いやったコメントだった。

メディアや観客だけでなく、代役の一般人にまで気遣いを忘れない姿勢が第一線で活躍し続けているゆえんなのかもしれない。