芸能リポーターとして活躍した、目黒区議会議員の須藤甚一郎(すどう・じんいちろう)さんが11日午後4時ごろ、多臓器不全のため神奈川県内の病院で亡くなった。

81歳。通夜は18日午後5時、葬儀は19日午前10時から、いずれも東京都世田谷区瀬田3の6の8公益社用賀会館で。喪主は長男の須藤健太郎(すどう・けんたろう)氏。

須藤さんは70年代から90年代にかけて、梨元勝さん鬼沢慶一さんらとともにワイドショーの芸能リポーターの草分け的存在だった。女性誌の芸能記者を経て、78年からテレビ朝日「アフタヌーンショー」、日本テレビ「ルックルックこんにちは」などで活躍。会見でもべらんめえな調子で相手が嫌がる質問をずばずばぶつけるのが特徴で、あるアイドルには「須藤さんが会見場にいるなら、お話できません」と言わせたエピソードを持つ。芸能だけでなく、政治や事件も取材し、取材対象は田中角栄元首相をはじめ約1万人に達したという。

99年には政治家に転身。同年の目黒区議選に無所属で立候補し初当選した。01年には参院選の比例代表に民主党から立候補したが落選した。03年に目黒区議選でトップ当選し、その後も07年、11年、15年とトップ当選し、19年に得票数2位で6回目の当選を果たした。

しかし、昨年夏に熱中症で倒れ、以降は入退院を繰り返し、車いすで生活した。長男の須藤健太郎さんによると、2カ月ほど前に誤嚥(ごえん)性肺炎となり、容体が悪化したという。亡くなる前日10日に面会した時は会話は出来なかったが、孫の写真に涙を流したという。

◆須藤甚一郎(すどう・じんいちろう) 1939年(昭14)1月27日、東京生まれ。早大卒業後、「女性自身」などの芸能記者を務め、78年から芸能リポーターに転身した。著書に「芸能界またもスキャンダル」など。