中条あやみ(23)が21日、都内のアンダーズ東京で行われた主演映画「水上のフライト」(兼重淳監督、11月13日公開)完成報告イベントで、陸上十種競技の元日本王者の“百獣の王”武井壮レベルの運動神経だと絶賛された。

中条は劇中で、走り高跳びで世界を目指していながら不慮の事故に遭い、歩くことが出来なくなった中、パラカヌーという夢を見つけた藤堂遥を演じ、実際に競技用カヌーに乗った。競技用カヌーは船体が細く「水に触れる面が少なく、乗るだけで落ちてしまう」(中条)ため、通常のカヌー以上に扱いが難しくという。

兼重淳監督(53)は「体育大の方に聞いても(乗るのは)1カ月では無理」と言われ「合成しようかとかピアノ線で引っ張ろうとか、浮輪を着けてとか検証したんですけど…」と当初、考えていたという。それが、中条はわずか1日で競技用カヌーに乗り、着水できたという。初心者で競技用カヌーに乗って1日目からひっくり返らずに着水でき、たった1日でカヌーを操ることが出来るようになったのは、芸能界では武井壮と中条しかいないという。

中条は、秘訣(ひけつ)を聞かれ「元々、体幹トレーニングをしていたこともあった。ブレない人間になりたいと思って、トレーニングしたからかな?」と笑みを浮かべつつ、明かした。その上で「最初は上達せず、不安だったんですけど『好きこそものの上手なれ』という言葉が降りてきた。好きになることで上達が早くなった」と語った。遥を支えるエンジニア加賀颯太を演じた、杉野遥亮(25)は「負けたくない」と闘志を燃やした。

カヌー教室を開く宮本浩コーチを演じた小沢征悦(46)は「中条さんが乗ったレース用のカヌーを乗ったら、すぐ水に落ちた。俺はブレブレの人生。体幹トレーニング以前の問題」と突っ込み、会場を笑わせた。

中条は、カヌーに乗ることだけでなく、実在するパラカヌー選手との交流から生まれた実話ベースの物語を演じるにあたり「お話を頂いた時は今、出来る自信がなかった。カヌーもあるし実話…自分には力がないと思った。演じることで、遥と成長していければと思ったので、演じていて遥に勉強させていただいた」と振り返った。その上で「今の中条あやみはこうですと、胸を張って言える。こんな表情をするんだ、こんなすてきな映画なんだと感じて欲しい」と胸を張った。

「水上のフライト」は、19年8月にクランクイン。パラリンピックの開催に合わせて6月12日に公開の予定が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、公開が延期された。