12歳で俳優デビューして映画、テレビ、ラジオで活躍、今年で芸能生活76年目を迎えたタレント毒蝮三太夫(87)が新書「70歳からの人生相談」を出版した。「毎日を良く、自信を持って生きよう!」と言う毒蝮に聞いてみた。
◇ ◇ ◇
1969年(昭44)10月に始まったTBSラジオ「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」は形を変えながら50年以上も続いている生放送だ。今も「土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送」の内包番組として月に1回放送される。毒蝮が街に繰り出し、お年寄りを相手に「ジジイ」「ババア」とイジリ倒して喜ばれている。訪れたお店や会社は1万軒以上、出会った人は62万人以上になる。
「もう50年以上もやってるんだ(笑い)。俺も考えて、ディレクターには俺より年が上の人に合わせて放送しろよ、俺より上の人が出る放送にしようよって言ってるんだ。ラジオを聞いた人が、こういう人が役に立ってるんだと思って、こういうふうなジジイになろうよって思ってもらえたら、日本はいいことじゃん。少子化対策にも、ああいうジジイになろうと思って、結婚も増えるじゃない。俺ね、ジジイ、ババア見てね、一番幸せそうなのは、孫の話をする時だもんね。あのジジイいいね、笑ってどうしたって思うと『さっき孫がいてね』なんて話が、よく出てくるんだよ」
元気なお年寄りになるには、子、孫と世代間のバトンが受け継がれることが必要だという。
「今の若い人が結婚して、自分の親に子供を見せるっていうことは、とってもすてきな親孝行ですよ。だから政府は、もっとうまく、子供をつくって育てる環境をつくらなきゃいけない。もっと金を使っていかないと。それから、いじけた意地の悪い不潔なジジイやババアがたくさんいたら、若い人はそうなりたくないと思うよね。排除したくなりたくなるよね。そういうジジイやババアを活性化して、明るく元気な年寄りにしないとね。でも、それはね、急には、いいジジイ、いいババアにはならない。若い時から切磋琢磨(せっさたくま)して、自分を磨いていることが大事なんですよ。そういう意味では、やっぱり若い時にいろんな善行を施すことが大事だよ。そうすれば、そのお返しをしてくれる」
最後に、記者自身の人生相談をしてみた。「今年62歳になる会社員。定年になっていまだに独身。実家にいる94歳の父親と91歳の母親が、まだそこそこ元気で『お前、まだ結婚しないのか』といまだに言われるんですが、どうしたらいいでしょう」。
「94歳の父親と91歳の母親が元気だって。お父さんとお母さんは偉いよ。子供に夢を持たせる親だよね。あんたも元気で仕事をしている。偉いと思うよ。だけど、結婚しないで、親に心配かけてるのは親孝行とは言えないよ。子供の頃に『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』を見てファンだったっていうなら、今から頑張れ」
(終わり)
◆毒蝮三太夫(どくまむし・さんだゆう)1936年(昭11)3月31日、東京生まれ。48年に本名の石井伊吉(いよし)で舞台「鐘の鳴る丘」で俳優デビュー。51年「青い真珠」で映画デビュー。57年日本テレビ系「坊ちゃん」でドラマデビュー。59年日大芸術学部映画学科卒業。66~67年TBS系「ウルトラマン」で科学特捜隊のアラシ隊員。67~68年同「ウルトラセブン」でウルトラ警備隊のフルハシ隊員。68年日本テレビ「笑点」出演中に立川談志の助言で本名から芸名を毒蝮談三太夫に改名。69年TBSラジオ「ミュージックプレゼント」スタート。



