国立劇場が中高生向けに開催している7月歌舞伎鑑賞教室「双蝶々曲輪日記-引窓-」(7月3日初日)の会見が23日、都内で行われ、中村芝翫(57)中村錦之助(63)市川高麗蔵(65)が出席した。

同劇場が再整備のため10月末で閉場を迎えることから、初代国立劇場での歌舞伎鑑賞教室はこれが最後となる。同演目では、芝翫が南方十次兵衛を18年ぶりに務め、錦之助が濡髪長五郎、高麗蔵が女房お早をそれぞれ演じる。お互いを思いあう家族の絆を描いた作品だ。

芝翫は「私も中3の時に学校で歌舞伎鑑賞教室を見ました。私もその都度出していただいて。学生さんが騒がしい時があり、中村屋とか紀伊国屋の屋号を叫んだ後、なんだ、パン屋と本屋じゃないかとの声もありました。でも、(平家女護島で)俊寛を演じた時は、学生さんからカーテンコールをいただいた。今でも覚えています」と話した。

錦之助は「歌舞伎鑑賞教室にはいろいろ勉強させていただきました。濡髪が錦之助の役どころと思っていただけるように、一生懸命演じたい」、高麗蔵は「歌舞伎にアレルギー反応をもつ学生さんもいるかもしれませんが、少しでも興味を持ってもらえるように、誠心誠意努めたい」とそれぞれ話した。

同教室は、若手歌舞伎俳優が大役をやる登竜門でもあった。芝翫は「勘三郎の兄貴とも共演し、終わった後に、楽屋で、芸がつたないから学生さんが見てくれないんだと、よく議論しました。横浜での公演の後、横浜に泊まってオールスターを見て、飲んで、山下公園で相撲をとったことなど、いい思い出です」などと振り返った。

「双蝶々曲輪日記-引窓-」は今年1月、浅草公会堂で上演され、南方十次兵衛役と錦之助の息子の中村隼人が、濡髪長五郎を芝翫の息子の中村橋之助がそれぞれ演じた。芝翫は「けいこを見に行き、隼人くんを見て新しい発見がありました。息子たちには負けないぞという気持ちでやりたい」と話した。